2019年2月14日木曜日

まなざしで人生を語れるか?(名古屋にて)















































厭、私は語れない。


まなざしをコントロールする程の余裕があった年月では無かった。

ただ、瞬きをせずに生きるのは得意だ。






先週末は
名古屋のアソシアホテルの最上階近くのお部屋に
娘と2泊も滞在をさせて頂いた。



ご縁がご縁を呼び
再会と助言と学びのための滞在になった。



名古屋に「カフェ コンセール エルム」と言う
有名なシャンソニエがある。


美輪明宏、アストル ピアソラなども出演し
フランス シャンソンの巨匠であったシャルル アズナブールも
バックアップしたシャンソニエだ。




























































エルムの代表である加藤修滋先生にはパリから帰国した後に
名古屋で短期間ではあるが大変お世話になり、応援して頂いた。

大きな恩人であり、国際的ピアニストだ。

そして加藤先生はフランス政府より「芸術文化勲章シュヴァリエ」を
叙勲されておられる。





しかし当時、私は自分のコンサートもキャンセルをする程
精神的に辛い時期であり、名古屋で歌う機会を何度も頂いたが
逃げるように東京に、誰にもお礼を言わずに出て来てしまった。

無論、加藤先生にもお礼を言わずに。




最終の新幹線に小さい荷物と、飼い猫のミロンガを乗せて
遠くなっていく名古屋をデッキから眺めていた思い出は
今でも何とも言えない気持ちになる。



それから数年経ち、幸いにも
加藤先生に再会するチャンスを頂いた。



反対に、私は不幸者で
どう顔を見せて良いのかも分からず
もう逢えないだろうと感じていた矢先だった。


大変お忙しいお方なので本当にラッキーだった。





数年前に、いきなり、いなくなった私だったのに
笑顔で穏やかに迎えて下さった瞬間には心が熱くなった。




色々話をお聞きし、あるコンクールに出場することを
勧めて下さった。

私はもうコンクールには全く興味がなく
寧ろ、倦厭する気持ちが多かった。

しかし尊敬する音楽家の先生が勧めて下さるのならば...と思い
出場を決心した(詳細は分かり次第告知いたします^^)






そして現在の私の弾き語りを聴いて頂き、ご助言を求めた。



「君は、もう歌も、ピアノも確立している。
だけど、自分の演奏する表情を見たことがあるかい?
表情が問題だ。」と。




























限られたお時間の中で
世界の有名どころの歌手達の表情を、映像でいくつも見せて下さり

8章節おきにしか、まばたきをしない歌手。

非常にゆっくりと、まばたきをする歌手。

優しい包み込むような、まなざしで語る歌手。




パチパチ何度も、まばたきをする歌手。



多少、歌が下手でも表情が良いと
吸い込まれるのも確か。

反対に、歌が上手くても
まばたきが多いと聴いていて落ち着かない。



....余談だが日本人は緊張をするとまばたきが多い^^;



昔、フランス人のシャンソンのお師匠さんに
まばたきをしないで表現することを学んだので
そこは問題ではないが




加藤先生は「私の表情と、まなざし」が乏しいことを
御指摘された。




歌も、ピアノも、完璧に持って行きたい目標がある。
妥協した弾き語りは一切したくないし
ピアニストとしても両立した歌手で居たいのだ。



しかし、演奏や歌に一生懸命なあまり
自分なりには表現をしていても
その道のプロに見ていただくと
本当に多くのボロが、あれよあれよと湧き出て来る。



でも、いい。

音楽に意見を下さり
自分がそれを受け入れる事が出来るのは
音楽も人生も、両方とも、尊敬をしている方しか
私は言うことを聞かないからだ。



それに歳を重ねると
プロと言う、音楽に対して
的確な助言を下さる方は居なくなって行く。





帰り際、加藤先生と固い握手をした際に
「いづれ、また名古屋でもやりましょう。」とお声を
掛けて下さった。




いきなり姿を消した私を、温かく迎えて下さり
助言まで鋭く、的確に下さった加藤先生との再会は
今後の人生の流れの深みを
増してゆくきっかけになった。






世の中は冷たいが
人は温かい。

そして今後、どう音楽で恩返しの人生を生きるか。





その鍵は「まなざし」か。






今日のあなたのまなざしは、どうだろう?


まばたきは、いつしましたか?






今日も読んでくださり
どうも有難うございます。






Amitié






Le son de la Mer
海音