2019年2月4日月曜日

ママ! 1




       住んでいたパリ16区の近所をベビーカーでお散歩。







街角で「ママ!」と聞こえてくると

つい、振り向いてしまうのは

自分が親になった人生の経験のプレゼントを娘から頂いたからだと思う。


でも、私は変わらなかった。

娘が出来ても子供仕様の部屋にすることもせず

自分が生きるスタイルだけを貫いて来た。




当時、臨月まで一人でパリの自宅で生き

産む一週間前までピアノ講師として生徒さんの自宅に出向き

出産3ヶ月後は、費用が掛かっても

私立の託児所を探し出し、娘を預けてピアノ講師を再開した。




フランスは何もなければ産後3~4日で退院させられる。

私の場合は会陰の傷が痛くとも、体が痛くとも

退院当日に、歩いて薬局に行き、育児に必要なものを買い回った。

正直、頼る人が、頼れる人がいなかった事も確かだった。

そういう少し寂しい思い出もあるが

今は良い思い出だ。

若しくは、人に頼るのが苦手な性格でもあった。




いつでも、私は私でいたかったし

出産をしたところで、生きる姿勢は変わらないのだ。




きっとパリの女性ってそうじゃない?

私だけではなくて。

パリで専業主婦を探すのが大変な程だから。

今どき、いるのかしら?

少なくとも私の周りは居なかった。

自分の得意な事をもがきながらでも情熱を持って向かっている

女性が殆どだったと思う。

またはそれをバリバリ忙しそうにこなしているセクシーな女性とか。




子供を産むって素晴らしいと思う。

(そうでもない人生も素晴らしいと思う。)


人生が変わるわけだから。

でも、私が変わるわけじゃない。



親として、と言う何とも言えないものを与えられる感覚は
絶品なほどに
どうしようもない気持ちになる。



お花の芽に、愛と言うお水を注ぐ。

だけどその水の量や、肥料を与えすぎても、足りな過ぎても
根や、芽は枯れてしまう。

子供だって同じだ。



非常に過保護に育てられた私にとって
そこだけは強く強調して、経験したから言える。

極端な話、子供は放っておいても大きくなる。




しかし、自分(親)は自分のことを放っておいてはだめだよ。って。



2歳過ぎてから久々に娘と暮らし始めた時に
娘は私のことをイマイチ覚えていなくて、なつかずに
切ない気持ちになってしまった時があったけれど

「ママ!」って言葉だけは私に向かって話せる。
勝手に覚えてヨチヨチ歩いている。


それでいいのではないかなぁと思った。



では、「ママ!」と呼ばれた私の生き方は?




何とも上手くいっていなかった。
日本のシングルマザーに対する雇用はあまりに、ずさんで
足元ばかり見るから、参ってしまった。




子供に自分が出来ることは

自分の演奏を生活の中で適度に提供すること
自分が一流と思うものに触れさせてあげること
フランス的な思想
フランス語
字の書き方
挨拶
優しさ

清潔な身体にしてあげて
ご飯を一緒に食べて
良い睡眠をとらせること。

などなど。









ここでのフランス的思想とは

[Je suis comme je suis} 私は私。




日本は「みんなと仲良くしましょう」「みんなで〜しましょう。」の
教えが常にあるが

仲良くなぞしなくて良いと思う。
喧嘩をしろと言う意味ではなくて
自分と合わない人とは距離を置いて、合う人とだけ居てもいい。
本来それで良い。
だって波動が似ているのだから。
わざわざ一緒にいる必要がない。意味がない。

合わない人もいるんだ、と受け入れる。
受け入れた上で「自分はこう思っている」と討論できる。





そして自分をバカだと言わない。思わない。
そんなことを自分で言ったらヨーロッパでは
「本当にバカなんだ」と思われる。



「自分は素晴らしいんだ、素敵なんだ」と思っていい。





自分の感じていること、考えていることをプレゼンテーション出来て
自分のことが好きな人間


そんな人って素敵だと思う。







このブログタイトル「ママ!」はシリーズ化して行きたいと思う。
何故なら書きたいことが山ほどあるから。



子供が大の苦手で、一生独身で動物とだけ暮らしていければいいと
思っていた私にパリで天使がやってきた。




そして今日のブログの終わりに綴らさせて頂く。

以前アメブロでブログを綴っていた時に誹謗中傷で

「子供を認可の保育園に入れておきながら
好きな音楽だけやっている人間は、とっととフランスへ帰れ。」と
コメントがあった。




あ、このひと。私のブラウンディングに引っかかったな。と。笑

好きな音楽をやって生きて行くには
私の場合、派遣の仕事も、庭師も、販売員も、事務も
ウェイトレスも、他の事も何でも構わずやって来た。


しかしSNS上では、優雅に音楽だけ(コンサート)だけを
やっているように見えたのでしょうね。


だから私のブラウンディングは成功していたのです。



誹謗中傷する方々は、本当は身近で応援してくれている人が殆ど。
わかっています。





最近、この一週間で
大阪パリ祭出演のお誘い、千葉県でのクラシックピアノ演奏のお誘い
名古屋にいた頃に大変お世話になった恩人との再会の手綱...を頂きました。



流れが新しく進化して行きます。





読んでくださり有難うございます。




Amitié



Le son de la Mer
海音