2019年4月9日火曜日

靴と、子どもと、老子(モニターレッスン後に蘇る思い)



               近所の川
   
    














このブログを綴る前に祈りたい事がある。

それはある小さな少年の事だ。

先日、娘の新しい運動靴を靴屋さんへ購入しに行った際に
あまりに酷い光景と言葉を見た。

きっと、その母親は家でもその少年に罵声と虐待をしているであろうと
直感で感じた。

この靴が欲しい、これは?と持ってくる少年に母親は

「高いんだよっ!うちには金がないんだよっ!」云々叫ぶ母親。


この母親、特別ではない。
何故なら、昔の私もそうなりそうだったから。

少年の姿を私は見ていられなかった。

それからずっと少年のことを思い出し
その子が豊かで笑顔のこれからを想像し
明るい顔で母親といることを描きながら夜空を仰いだ。



そしてお金が無いと言いながら、子供達よりふくよかな体格。
これはもう自己管理が出来てない
だらしないものだった。

子供に泣け無しの量でも多く分け与えていたら
そんなことに、ならないであろう。

気が遠くなる瞬間だった。


娘も新しい靴を試して、一生懸命に履いている最中に
その罵倒する声を、驚いた顔で聞いていた。

私は見せたくなく、聞かせたく無かった。



子供に欲しい、履きたい運動靴を購入する。
しかし色々、どの家庭でも事情がある。


ただ
私は娘が欲しい靴や、運動靴を小さなうちは
いつまでも買ってあげれる親でいたいと思った。

その光景が私に見せた、ある見知らぬ親子の映像は
きっと色々な意味が心に流れ、とめどなく心をえぐられた。


その幼い少年が、今夜ゆっくり眠れているように
小さく祈るのだった。










先週の土曜日にモニターレッスンを行った。

実はその二日目から娘の体調が崩れ、39度のまま下がらなかった。
しかしモニターレッスンの時間は迫って来た。

当日は復習や、確認をする余裕が無かった。
モニターレッスンの前後に小児科に連れて行ったからだ。

こう言う時は、よくある。
本業の音楽にさえ、100練習していても
本番直前にアクシデントや、如何しようも無い事が。




そう時は、あきらめる。

老子が昔、語ったはずだ。


「あきらめよう、そうしたら上手く行く。」



もがく程、苦しい。

あとは呼吸を整えてその時をお迎えする。
もう、そうしようと決めたのだった。




モニターレッスンの最中は、回数を誤ってお伝えしたり
モニターの全身のバランスをあまり多く見れず
伝えきれない注意点が沢山あったことが
レッスン後も私の心の蟠り(わだかまり)として残った。

しかし、モニターである彼女の上半身は美しく
猫背にも反り腰にもならない軸があった。
これは本当に素晴らしいと思い、思わず何度も

「素晴らしいですね!」と声をかけずにはいられなかった。

私であったら、右か左に傾き、初回は必ず...かなりの猫背であったから。



それにしても、指導することは本当に難儀である。
以前、ヨガのインストラクターの学校に通っていた事があるが
後半でやめてしまった。

何故なら
シンプルに「指導」が自分には持って行けないと感じたからである。



音楽の指導も、より自分が研鑽を積んで行かずして
やっては行けないものだ。


人前で話すことや、表現することは職業上、慣れている。
そしてASAMIさんの「声の哲学」も非常に興味深く
自分に善い探究心を持たせてくれた。

お陰様でより深みのある話仕方を、身に沁みこませている。



だが、本番となった時
たまに緊張から来る、吃る瞬間があった。



そしてモニターさんが
「こんなにも、濃くてハードなレッスンだとは思いませんでした。」と
美しい汗をかきながら真摯に語って下さった事が嬉しかった。





みっちり、2時間
娘の熱が39度であろうと
気持ちを切り替えて、モニターと向かい合えた事だけは
やり遂げたと思った。
(レッスンの内容の細かな指導の良し悪しは別とする。)



やはり、色々な親がいるから
私みたいな親にも、以前はブログを通して誹謗中傷があったが
ただ貫くだけなのだ。

人のことなぞ、言えないではないか。とね。
思う方もいるのでしょうが


だけど、やるしかないですから。





子供にうちにはお金がない!と罵倒するなら
あなたがあなたらしく、働く努力をすべきだから。
甘えるな、と。






お話を戻します。

モニターで来て下さったEさん
またお逢い致しましょう。

自分に多くを気づかせて下さるお時間を
本当に有難うございました。

春風と一緒に尋ねて来て下さり
そして今後の道標を残して下さいました。




心からお礼を申し上げます。





そして、いつもこのブログを読んでくださる皆様にも
感謝を込めて。




Amitié.




Le son de la Mer
海音