2018年11月13日火曜日

ロウヒールはもう履けない








昨日(一昨日)の今日なのでリアルタイムで綴ろうと思う。




一昨日は長野の安曇野で久しぶりにゲストでステージで出たが
その際に履いていたのが
本当にお気に入りで20年は履いている総刺繍(ゴブラン織り)の
ブーツだ。


私の代表曲の「ジプシーの名もない歌」を演奏するので
気分的にジプシーの気持ちのものをセレクトした。



演奏は楽しく勢いよく出来たのだが
何故か姿勢が決まらない。


何故か全体的に「私」がしっくりこない気持ちで
歩いているのだ。



そしていつも痛くない体の箇所が怠く
腰も鈍く痛いような感じがする。


何故だ?何故だ?と自分を追求したが

答えは1つ。






何だと思われますか?






寝不足?(確かに最近寝不足ではあった)

練習不足?(プロなのでまずはない)

会場や企画がいつもと違うから?(毎回違うし)

緊張から?(緊張すると私は眠くなる)

知らずに転んだのか?(もうそんなに深酒はしない)




自問自答したが



答えは





「ヒールの低さ」でした。






通常だと「ヒールの高さ」と答える女性が多いのだろうが
私の場合は「ヒールの低さ」に間違いない。

バックステージで、帰り道でそう確信した。





先ほどにも記したがお気に入りのゴブランブーツのヒールは
5センチほど。

物足りない体感を引きづりながら過ごす自分は新鮮だった。



ロウヒールとは腹筋も背筋も使わずに歩けるので
きっと便利なものだ。




しかし便利というものは必ず、体が、脳が、鈍るのだ。

そしてどんどん猫背になり首が前に出てくる。

まさに「鈍色(にびいろ)」な気持ちでいた。



自分の姿勢を持ち上げよう、持ち上げようとしていたが
本当に持ち上がっているのかさえも確信できず
過ぎてしまった時間だった。





そして身体がムズムズする。

「伸びたいよ、伸びたいよ」と細胞がワイワイと言っている念が
今すぐにでも口の中から出てきそうなのであった。





私は変わったな。と思った。











ASAMIさんのレッスンで体幹と筋肉が進化している真っ最中だからこそ
今、そう強く感じるのだろう。




ここ最近はステージで10cm以上のハイヒールしか履いておらず
気持ちも、体も上に↑ 上がる気持ちでいたが

それが一気に5cmもヒールがダウンすると
ここまで
「気持ちの違和感」「伸びたいよと細胞が叫ぶ」「体の怠さ」が
一気に来てしまうものなのだと昨日は痛感した。




人生は移り変わってゆくように

自分の良い「選択」も移り変わってゆく。

一緒にいる人も移り変わってゆく。

物もそう。

靴も、そう。





もう5cmヒールは履けないなと思った。

100%自分を演じるならば腹筋、背筋を、全身を使う
ハイヒールを選んで行きたい。



その方が背筋もシャンとする。


ハイヒールを履くと
音楽家としての腹式呼吸も、より芯がある腹式になる。

それは確かだ。




私はピアノに座って歌うので、立って歌うわけではないが
それでもハイヒールでピアノの椅子に座ると
姿勢も腹筋の使い方もハッキリと違う。

ロウヒールでピアノを弾いている時とは大違いだ。
例え、ロウヒールで呼吸や姿勢を意識していても
ハイヒールを履いている時とは比べものにならない。



言うなれば、ハイヒールは...美しい脚のコルセットのようにまで
感じる。







ちまたで言われるハイヒールのナンセンスなレッテルは
「本当のナンセンス」だと思った方が良い。


何故ならば、真のハイヒール理論や人体解剖学を通じて
歩き方を学ぶと体には良いことだらけであり

女性としての美しさへの意識も、より増して湧いてくる。


ASAMIさんのハイヒール哲学を通して、学び中ではあるが

ロウヒールは身体が保たない(もたない)ので
もう履かない。



心もムズムズしない、
イキイキと凛としたハイヒールを



人生に私は
選ぶ。





amitié




Le son de la Mer
海音