ハイヒールを初めて履いたのはいつだっただろう。
きっと小さい頃のピアノの発表会の時は
2~3cmの物を履いていたのかと思う。
中学2年の頃に濃紺のベロアのハイヒールを手に入れて
誰も見ていない雪解けの頃に履いた記憶がある。
そっと、つま先を入れ
滑らないようにして歩きながら
「何て履きにくいのだろう...」と思っていた自分を今でも思い出す。
それでも、いいなぁ、美しいなぁ、と自分の部屋の中で
そのハイヒールを眺めていたことも思い出す。
それは記憶の中のハイヒールであって
実際は3~5cmくらいのパンプスだったと思う。
それも、そっと爪先から入れた瞬間は
運動靴やローファーしか履いたことがないものだから、
3cm~5cmでも非常に高く感じた気がする。
時が経ち
いつの頃からか、巷で
「ハイヒールは体に悪い」とか「外反母趾になるよ」とか
「身体のバランスが取れなくなるよ」と声が聞こえてくる大人になった。
そして周りの人々にもハイヒールは身体の良くないよ。と
言われるようにもなって行った。
大学時代もハイヒールへの憧れが止まず
夏に初めて購入したのがサンローランの美しいティファニーブルーの
夏用パンプスだった。
今でも良く覚えている。
その後、赤色、黒色、....安室ちゃん世代なので真っ白いロングブーツまで
仕舞いにはヴィヴィアン ウエストウッドのロッキンホースまで....
(ちなみに髪の毛はボブでミドリや赤と鮮やかで、
顔じゅうにピアスをしてました)
とても歩きにくくて、辛く、痛い思いをしながら。
(パリ時代初期は友人企画のゴチックパーティーやライブで働いたりも。
楽しい思い出。)
無論、
ハイヒールを美しく履く歩き方なぞ全くを持って無知である故に
かなり不格好な歩き方をしていたに違いない。
(冷や汗もので、そう思う)
それでも、選び、履いているのだから
歩き方は棚に上げても「ハイヒール」に憧れて好きだったのだろうと
懐かしく感じる。
ハイヒールを不格好に履き続けても
どんなに歩き方がおかしくても、
どんなに高いハイヒールを履いても、
私は外反母趾にはならなかった。
幼少期からスポーツが好きでアイスホッケー、水泳、陸上と
本格的にやりながら、田舎の季節の道を裸足で駆け巡って来たからか?
それはわからないが。
だから「ハイヒールは外反母趾にならない」と私は思っている。
しかし足の親指に力が入らなく(筋肉がなく)
小指に力が流れてしまい、その小指で支えてしまう癖がつくと
外反母趾になるであろう。
要は何でもそうだが「方法」「やり方」「師」が全てだと思う。
本を読んでやり方を頭に入れたところで
「ハイヒールはこう履いて、こう歩けばいいのだな」と思っても
それは意識が弱い。
音楽であっても、同じことが言える。
極論だがピアノを購入したので、コンサートをやります!と
言うのと同じだ。
自動車を購入したので明日から運転します!と
言うのも同じだ。
ハイヒールを履く前に
歩くと言う本当の行為、歩き方、身体のほぐし方、視線、腕の位置、
見つめ方を、総合の細部を知らないのに
どうしてハイヒールが履けようか?
ハイヒールの履き方を知らずして
どうしてハイヒールを美しく履くことが出来るであろう?
そして反対のことも言える。
どうしてハイヒールは体に悪いと言うのであろうか?
その人はハイヒールを履いて体を壊したのだろうか?
外反母趾になったのだろうか?
身体のバランスを崩したのだろうか?
はっきり言っておくが
それはハイヒールのせいでは無く「あなたのどこか」が原因である。
元々、ハイヒールはルイ14世も好んで履いていたもので
美しいものでしかない。
それをハイヒールに原因があると言う方のお言葉は
非常にナンセンス。
ASAMIさんのハイヒールレッスンを受けている最中であるが
レッスンを受ければ、受けるほど身体はしなやかに、強靭に、
健康に、新陳代謝も良くなり、浮腫まなくなった。
そして自分のインナーマッスルはまだまだ甘く
腹筋も背筋も足内側の筋肉も、発展途上であり
「身体を作り上げている」途中である。
現在、私は40代前半でありながら
先日の健康診断では「過去最高の身長」を告げられ
心の中でガッツポーズをしたのだ^^
通常、150cmが私の身長であり、長年そう思っていた。
しかし一ヶ月前に「152,4cm」と看護師さんに言われ驚いた。
それがどうしてか、分かっている。
普段、ASAMIさんに
「腹筋をもっと引き上げて、もっと、もっと行けます!」と言われ続け
視線も意識してあげるようになった。
結果、普通の気持ちで身長を測っても
今まで一番高い「本来の私の身長」になったと言う訳だ。
(裏を返すと....常日頃、どれだけ猫背でいたのかと恐ろしくなる)
人は意識をしていないと老いてゆく。健康でも無くなってゆく。
しかし、進化し続け、身体と心に向き合うならば
より良く年を美しく重ねることが出来る。
最近、本当に身をもってそう感じる。
それは私が昔から体育会系で身体を動かして来たからでも無く
運動神経が良いからでも無く
「ハイヒールを美しく履きたいので、足裏筋肉、インナーマッスルを
意識して鍛えている最中」であるから。
そして身体を使い、ハイヒールで歩いていると自己発電になり
体が温かくなり、少し汗ばんでくる。
これからの季節により素晴らしいではないか!
「ハイヒールは体に良くないよ」は洗脳だよ。と返したい。
「ハイヒールは美しい場所に連れて行ってくれる、
素敵な男性に出逢わせてくれる」の前に
「その人を美しく」してくれる。
しかし、
本当の体の動かし方や、歩き方を知っていれば。の話だが。
ハイヒールが本当に体に悪いのであれば
身長が伸びるはずがない。
ハイヒールを履くエクササイズとレッスンを受けている時点で
身長が伸びたのですから。
Amitié
Le son de la Mer
海音