2018年12月31日月曜日

音楽教育と娘(トゥーランドット 誰も寝てはならぬ)












































まずは今日で今年も終焉の日になり
門松を眺めながら、日本のこういう厳かで美しい風習は
素敵だなと横目で見ながら年末を過ごしている。


日本らしい年末の独特な空気の中は
一番日本が美しい季節なのではないかと感じずにはいられない。



本来は一年を思い返したりするのだが
今年は自分にとり悲しい別れが複数回あり
あまり思い返したくない心境である。



そんな中で最近のコンサートでも歌っている
プッチーニのオペラ「TURANDOT」より-誰も寝てはならぬ- を
また適度に録画してみましたので
ご興味のある方は見てくださいませ。

トゥーランドットより-誰も寝てはならぬ-

(日本ですとよくフィギアスケート音楽で使われているので
耳にしたことがある音楽だと思います)


もっと改善を図り、より朗々とした演奏が行く行くは出来たらと
思いますので、乞うご期待下さいませ。




娘が思いの外、体調を崩しお互いに寝不足になっていたり
年末に開いている小児科を探して出かけて検査をしたり
久々にバタついた年末だが、私はお陰様で元気である。
(血液クレンジングや水素のお陰かしら^^)



今年は1曲も作曲することが出来ず、インスピレーションが
降りてこなった年だった。

今までで一番ライブをしなかった年でもあった。

来年は自分らしい曲が出来ると良いなと思う。



私は音楽に対して非常に情熱的な人間ではあるが
それ以外はアンニュイで少し冷めている。

そんな音楽人間だが教育に対しては一体どの様な見解を
持っているか、または音楽レッスンについて綴ろうと思う。




パリで7年間ピアノをフランス人とユダヤ人に教えてきたが
面白い2つの法則があることを発見した。


1つ目....初めてお伺いするお宅の玄関と洗面所が汚いお宅は
トラブルが多く、レッスンすっぽかし、長く続かない。

2つ目....どんなに素晴らしいグランドピアノを持っているお宅でも
親が無理に子供に習わせている場合も続かない。



この2つは100%でした。


反対に


風通しの良いお宅で、玄関と洗面所が美しいお宅は
長らくレッスンを懸命に受けて下さる方が殆どでした。


「心」は「家」に繋がってるいると思います。
そして、それは音楽までにも。




基本、私は子供のピアノレッスンは募集してはおりません。
しかし何らかの繋がりやご縁のあるお子様には教えます。

教え方は、間違ってもバイエルやブルグミュラー、ツェルニーを
使っての教え方も致しません。
(どうしても弾きたい、と言う方は別ですが)


これは子供、大人共通です。

何故かと言いますと
それらの教則本は日本独特の音楽教育だからです。

それで競い合うのもつまらないものです。


基礎は「教則本」が無くとも準備出来ますし
まずは「ご自分が弾きたい曲」をご用意頂き
解釈、その曲の時代背景、作曲家のこと、をご一緒に探ります。

そこからです。


1曲の中に、学ぶべき技巧も、センスも、練習も
死ぬほど沢山のすでに入っておりますし
人生は有限ですので「ご自分が弾きたい曲」の中で
多くのニュアンスや技巧を学んで行けば良いだけです。

ただ、難易度が高い大曲などは
段階を踏んでから向き合えば良いのだと思いますので。



「音色」を探すことも特に重要としたい部分です。
音楽家にとり、音色を探し続けることは一生、毎日ですから
生徒さんにも同じことを、深みとして学んで欲しいといつも思います。


そして私のグランドピアノ(ED. SEILER エドワード ザイラー)は
パリで購入し、日本へ持って帰ってきたものです。

第三帝国で作られたドイツ製(ポーランド産)の稀なピアノです。

マホガニーで象牙の美しい小さなピアノで
良き古きドイツの音を楽しんで頂けたらと思います。






少し娘についても綴ろうと思います。

巷では、妊娠すると「モーツァルトやバッハ」が胎教に良いと
されている様です。

hertzの問題もあるのかと思います。

娘を妊娠している最中は
バッハは弾いていましたが、それ以外はプロコフィエフ、リスト、
メシアン、とかなり難儀なリズムと無調な曲もあり
胎教的に微妙なセレクトばかり弾いていました。

毎日練習やピアノの生徒さん宅に教えて行っていました。


娘が生まれてからは左手で抱っこし、右手の練習(その反対も)
オンブしながらハープの練習をしていました。

2歳くらいから私のコンサートにも時々来てくれます。


ただ、私は音楽を彼女に教えたくないので
ピアノやハープを娘が触っていても何も注意しません。

注意するとすれば
手の形、指の形、しっかりと奥まで鍵盤を押す事くらい。


それ以外は厳しくなり過ぎてしまうので教えません。
どうしても音楽を学びたい場合は
お外の先生にお願いするのが良いと思っております。


子供は娘に限らず、本当に可能性が未知ですよね。


以前、名古屋に住んでいた頃に昔ならではのお豆腐屋さんが
「ポー」と言う音とともに道端にやって来ていたのですが

0歳の娘はまだ「あー、うー、まんま」位しか
お喋りが出来ないにも関わらず

「うー」と言ってはお豆腐屋さんの音の同じ「高さ」で
「うー」と言う様になった時は、面白い!音の高さと同じ音声で
言葉を出している、とびっくりしました。


私の歌うフランス語の歌を意味もわからず
先入観なしに覚えて歌っていたり

題名を知らなくとも聴いただけで
「これはチャイコフスキー」と当てます。

どうして?と尋ねると
「なんかわかるよ。踊りたくなるよ。」と言います。


最近、一番驚いたのは....お絵かきをしながら
「ママ、この曲知っているよ。発表会の時に流れていたよ」と
ラジオから流れていた曲をすぐさま当てたのです。

しかもグノーやグリュックのバレエ音楽であり
1度しか聴いていない筈なのに、と驚きました。


別に親バカで行っているわけではありません。
まぁ、親バカでもいいと思っていますけど。


子供は本当に無限の可能性があることに
娘を通して驚かされます。


だから
押し付けてはいけないのです。


そうすると気持ちが歪んで消えてしまう。
(私自身、書道がそうでしたので)

放っておきながら、導いてあげる。




しかし子供にはどう言うピアノレッスンが良いのでしょうね。

それは自分が子供だった頃に「楽しかった」こと
どんな曲で、どんな先生で、どんな感じだったか

それが私の答えです。



無意識で楽しいのが一番です。

子供でも大人でも好きなことはランニングハイになる。

音楽だってそうだった。

でも、練習しなさい、とか言われると気持ちが下がる。



私は小さい時は練習が厭でしたので
自分の世界に入り作曲もどきを、隠れて沢山やっていました。

あとは
今、吹いている風の音、スズメの鳴き声を
ピアノで真似して弾いていた記憶があります。

それが一番楽しかったからです。

今でもモーツァルトを弾くのはあまり興味がなく
作曲している方が楽しいです。





楽しくなくなった時

人は物事からも、人からも離れるのと同じ様に。





子供の目線で、ピアノを子供に伝えられたらと
今後、日本の子供さんとご縁がありましたら

そう教えたい楽しみがあります。
(音楽教育、レッスンに関してはまた続けてブログに綴ります)




良いお年を。



心を込めて。




Le son de la Mer
海音






追伸 これは全くの私の嗜好で趣味ですが何百回と観た
   リリアナ カヴァーニの映画です。
   その中にグリュックのOrphee et Eurydice Dance des Furiesが流れています。
   愛の嵐(The Night Porter